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脱法的営業が常態化する「喫煙目的店」①

公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 理事

参議院議員・前神奈川県知事

「国際基準のタバコ対策を推進する議員連盟」幹事長 兼 事務局長

松沢 成文

「望まない受動喫煙」を防止することを目的とする改正健康増進法により、飲食店が原則禁煙となってから、早いもので3年が過ぎました。しかし、同法の理念に反し、「喫煙目的店」という名のもとに、全席で喫煙可能な、居酒屋などの飲食店が多く存在していることを、皆さんはご存知でしょうか?

圧力で設けられた「例外」 そのうえ違法・脱法

同法は、「飲食店」を含む不特定多数の人が集まる施設を「第二種施設」とし、その屋内を原則禁煙にしました。しかし、規制に反対する議員らの圧力を受けた結果、この第二種施設においても、経過(けいか)措置(そち)として一定規模以下の既存(きそん)飲食店での喫煙を認めるなどの例外が設けられることになりました。また、これとは別に「喫煙目的施設」というカテゴリーが設けられ、必要な条件を満たした「喫煙を主たる目的とするスナック、バー等」においては、飲食席での喫煙が可能とされたのです。

その必要条件には、主に次の3つがあります。

1.米やパンなどの主食を提供しない、スナック・バー等であること

2.タバコの対面販売を行うこと

3.喫煙目的店であることの表示を行うこと

しかし実際には、これらの条件を満たさず、居酒屋のように主食を出すなどしながら、「喫煙目的店」表示をして、違法または脱法的に営業する飲食店が、多く存在しているのです。

実数は不明

都内飲食店から無作為に抽出した3135店の回答を基にした東京都の調査(「令和4年度飲食店における受動喫煙防止対策実態調査」)によると、都内の飲食店の4・8%が喫煙目的施設にあたるとされていますが、はたしてこの中でどれだけの飲食店が必要な条件を満たしているのかは不明です。また、違法・脱法的に営業している飲食店は、調査に正しく回答していないことも推測されます。

自治体が違反を放置

ところが、こうした現状を前にしながら、私が県知事として2009年に全国初の罰則付き受動喫煙防止条例を制定した神奈川県からしてもそうですが、東京都など多くの自治体では、改正健康増進法施行後もなお、違反する飲食店の取締りを適切に行っていません。

例えば横浜市は、市民から通報があれば注意・指導に行くものの、店が違反を続け再度通報されても、また指導に行くだけで、罰則があるのに徴収をしようとはしないといいます。そして自治体によっては、それどころか通報があっても指導すらまったくしないところもあるのです。

取締りがないため違法店が続出

その理由は、取締りが飲食店などの営業妨害となることを懸念してのものだとされています。また自治体は、改正法の定義があいまいなためと言ったり、取締り業務を担当する自治体の職員が’19年からの新型コロナウイルス対応で忙殺されてきたことも大きく影響しているとしています。

しかしその結果、取締りがないことを奇貨としてルールを守らず違法に経営する飲食店が増加し、野放しにされているのです。

国民の健康と命をタバコの煙から守るためには、こうした飲食店を適切に取り締まることが欠かせません。

次回からは、この脱法的営業が常態化する「喫煙目的店」の問題・実態を掘り下げていきたいと思います。

(’23年9月12日記)

’23年5月、参議院決算委員会での筆者

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