開港以来、日本の文明開化や近代化を牽引してきた横浜は、日本の英語教育や英語ビジネスの発祥地でもあります。

明治の偉人である高橋是清（元首相）も、福澤諭吉（啓蒙思想家）も、岡倉天心（日本美術界の開祖）も、横浜開港場で英語を学び、世界に羽ばたき、日本を変革しました。宣教師たちが開いた英語塾も、ミッション・スクールとなって英学を発展させました。幕末にはイギリス軍が、太平洋戦争直後にはアメリカ軍が、それぞれ横浜に駐留し、地域住民との英語での交流によってユニークな「横浜文化」を生み出してきました（以上、拙著『横浜を拓いた男たち 破天荒力』有隣堂、2019年を参照）。

横浜は英語との関わりが深く、英語とともに歩んできた街なのです。

一方、現代の日本は、国際化・グローバル化が進む中で、いまだに学校教育では「受験英語」に熱を入れ、「使える英語」を学べる環境ができていません。大人たちも、「聞く英語・話す英語」ができず、外国人との会話や交流には臆病です。だからこそ子どもたちには「使える英語」を習得させたいと、英語を学べる幼稚園や英会話教室は盛況です。

海外では、台湾では英語を第２公用語として法制化し、国際化に成功しています。また香港やシンガポールなどのバイリンガル都市が、国際金融センターとして発展していることは、ご存じのとおりです。

そこで、私はこの横浜・神奈川を英語第2公用語特区に認定し、バイリンガル都市を目指します。

バイリンガル都市の拠点・象徴として、横浜開港当時の街並みを復元し、楽しみながら英語を学べる「横浜開港英語テーマパーク」を誘致し、「英語ビジネスパーク」も併設します。

まず、このテーマパークのために、開港当時の横浜開港場の建物と街並み（波止場、領事館、商社、銀行、ホテル、街路街灯など）を復元します。実は「開港の舞臺（関内街並復元絵図）」という史料が残っていて、当日の街並みをかなり正確に復元できますので、訪れた人々は幕末・明治初期の横浜にタイムスリップしたような感覚を抱くでしょう。

そうした施設で、当時の開港場で行われた外交交渉、貿易交渉、街づくり、文化交流などを経験できるプログラムを提供します。パーク内のコミュニケーションはすべて英語です。英語を通じて横浜開港の歴史、文化、経済を楽しく学べる、対話型・体験型のテーマパークです。

パーク内で毎日開かれる交流事業で日本人と外国人が出合い、コミュニケーションが広がることが期待できますし、パーク内に「英語研修センター」を設け、学校や企業の英会話研修（日帰り型・宿泊型）にも使用してもらえます。英語と歴史を切り口にして、多目的に展開できるのです。

また併設の「横浜ビジネスパーク」に、英語の街・横浜でビジネスを展開しようという企業を誘致し、テーマパークとの相乗効果をねらいます。