学術総会〈世界に誇れる〝受動喫煙撲滅〟日本を目指して〉 逆行する議員・国会の意識改革を!
『STOP受動喫煙新聞』第34号(’21年4月発行)掲載=発行・「公益社団法人 受動喫煙撲滅機構」=https://www.tabaco-manner.jp/
公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 理事
参議院議員・前神奈川県知事
「国際基準のタバコ対策を推進する議員連盟」幹事長 兼 事務局長
松沢 成文
昨年11月、福島県郡山市にて、「第14回 日本禁煙学会学術総会」が開催され、私も参加させていただきました。毎年、多くの講演を中心に盛大に行われる同会、今回は新型コロナ禍の影響で、講演は事前の録画を当日会場で再生、またネットでの参加もできるという、初の〝ハイブリッド〟形式での開催となりました。
私の講演は、「未来への提言」というテーマを割り当てていただいたので、「世界に誇れるSmoke(スモーク) Free(フリー)日本を目指して」と題し、これまでの取り組みや、「健康増進法」施行後の現状などについて、自らの体験をもとに、さらなる受動喫煙の防止・撲滅に向けて、訴えました。
最前線の活動家たちと交流
私も講演の録画データを送付していましたが、現地にも新幹線で日帰り参加しました。会場では大会長の佐藤武寿・福島県医師会長をはじめ、地元の活動者の皆様や、各地の、長年活動を共にしてきている方々と交流、情報交換を行いました。全国からの、様々な取り組みの最前線におられる皆様と直接お会いしてお話をうかがえ、たいへん有意義な学術総会参加となりました。
国会の違法喫煙問題、その後
さて、’21年2月19日付『読売新聞』朝刊15面に、私も取材を受けた、「永田町 煙ったままの喫煙対策」と題する大きな特集記事が掲載されました。
昨年4月より改正健康増進法が全面施行され、議員会館を含む国会は、「喫煙専用室以外の屋内禁煙」が義務付けられました。しかしそれにもかかわらず、議員会館では議員が自身の事務所内で喫煙する「違法行為」が横行していたことが発覚。そこで昨年9月、私が幹事長を務める「国際基準のタバコ対策を推進する議員連盟」が、「違法喫煙の実態を把握するための調査・報告」「違反者への法に基づいた厳正な対処」「喫煙室以外の喫煙が違法との周知徹底」、および、「議事堂と議員会館の敷地内完全禁煙化」を求める要望書を、衆参両院議長および両院議員運営委員長へ提出しました。このことは、本紙でも詳報しましたが(32号)、この申し入れに対し、衆議院は〝愛煙家〟を自認する正・副議長とも揃(そろ)って「都合がつかない」として代わりに事務総長が、参議院は山東昭子議長が直接応対され、山東議長は、「議員が勝手にタバコを吸えば、秘書・役人・陳情客が受動喫煙で苦しむ。国会議員の違法行為は許しがたい。法律遵守を徹底したい」と、対策を約束していただけました。
「調査」すら行わず
今も違反が…!?
しかしその後、実際には、各会派へ、衆参の議運委長が「喫煙ルールの周知徹底」のみを〝要請しただけ〟で、未だに処罰も、実態調査すらも行われず、禁煙化も進められていないのです。そして、今もなお、違法に喫煙する議員がいるという情報が、私たちの耳にも入ってきています。
先述『読売』には、私が述べた、
「いまだに国会には議員の特権意識が残っている。国民に禁煙をお願いする立場の議員こそ、範(はん)を示すべきだ」
とのコメントが掲載されましたが、この私の思いに全てが凝縮されています。
受動喫煙撲滅への国の対策が、次のステージへと向かうためには、国会議員の意識から変えていかなければならない、と痛感しています。
(‘21年3月5日記)
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学術総会会場にて=ブログ『美しき活動家』【第14回 日本禁煙学会学術総会②「著名人の方々」編】より=https://ameblo.jp/324tsuyoikotai324/entry-12638963261.html