「感染と喫煙」「加熱式タバコ宣伝」問題を参議院で指摘
『STOP受動喫煙新聞』第31号(2020年7月)掲載=「公益社団法人 受動喫煙撲滅機構」発行 (https://www.tabaco-manner.jp/)
公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 理事
参議院議員・前神奈川県知事
「国際基準のタバコ対策を推進する議員連盟」幹事長 兼 事務局長
松沢 成文
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が延長される中でも、国会では対策を講じながら、委員会や本会議が開催されていました。
去る5月8日に行われた、参議院「地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」において、私は、衛藤(えとう)消費者問題担当大臣に対して、以下の質問を行いました。
感染・重症化の危険を放置する政府
まず、感染問題にからんで、「喫煙の危険性」について質問しました。(以下、要旨)
新型コロナウイルスの感染拡大の中で、喫煙が重症化の大きな要因になっていると言われています。世界保健機関(WHO)、欧州疾病(しっぺい)予防管理センター(ECDC)、さらには東京都医師会、日本禁煙学会など、多くの医療関係組織が、「新型コロナ感染や重症化を予防するために禁煙をすること」を推奨(すいしょう)しています。
本年4月3日の参議院本会議においても、私は安倍総理に対し、
「政府は国民に対して、『タバコを吸うことが、新型コロナウイルスによる重症化リスクを高める危険性がある』ということを警告し、総理が率先して予防策として国民に禁煙を推奨すべきではないか」
と質(ただ)しました。
それに対し安倍総理は、「必要な注意喚起(かんき)をしたい」と答弁されましたが、いまだに政府からは、重症化を避けるために禁煙することを求める注意喚起はなされていません。そこで改めて、「消費者庁は、厚労省と協力して、消費者である喫煙者に周知すべきだ」と、消費者問題担当大臣に訴えたのです。
なぜ加熱式タバコはゆるいのか
次に、タバコの成分表示、および、広告についてなどの質問を行いました。
タバコの煙は70種類以上の発がん性物質を含んでいますが、ニコチン、タール、一酸化炭素は三大有害物質と言われています。紙巻きタバコのパッケージには、ニコチンとタールの量が表示してあり、「有害物質が入っているので健康のために吸い過ぎには注意しましょう」という注意喚起があります。
ところが、最近流行(はや)りの加熱式タバコは、「煙が出ない、臭くない、受動喫煙も防止できる、そのうえ有害性は少ない」「だから、みんなタバコをやめるのではなく、こちらに移行しましょう」と思わせる宣伝を、一生懸命しています。紙巻きタバコにはニコチンとタールの量がきちっと規定されているのに、加熱式タバコは、紙巻きタバコと同様にニコチンもタールも入っていながら、何にも書いていないのはなぜか? 消費者は害が無いと誤解するのではないか、と問い質しました。その上で、タバコ利権をぶっ壊すために、消費者庁から声を上げていただきたいと訴えました。
動画で訴え
また、こうした国会での取り組みも継続している一方、喫煙が新型コロナウイルスによる重症化リスクを高める危険性をより多くの皆さんに知っていただこうと、ユーチューブ=『松沢しげふみ!チャンネル【公式】』=において、「【緊急特番】新型コロナで死にたくなければタバコをやめろ!」をシリーズで3回に渡って公開しています。それぞれ5分程度の動画ですので、ぜひともご覧になってください。
(‘20年5月27日記)
※本紙より:松沢理事の動画は、受動喫煙撲滅機構サイトでも‘20年5月にニュースであげています。https://www.tabaco-manner.jp/cate_news/12579/
‘20年5月8日、「参議院「地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」で質問をする筆者。