受動喫煙防止法の国会採決は、党を超え、議員個人の判断で!
<『STOP受動喫煙新聞』第22号(2018年4月)=発行「公益社団法人 受動喫煙撲滅機構」掲載>
公益社団法人受動喫煙撲滅機構理事
参議院議員
「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」幹事長 兼 事務局長
松沢成文
去る2月13日に、私が幹事長を務める超党派の議員連盟『東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟』で臨時総会を開催しました。今回の臨時総会では、昨年11月に開催した議連勉強会の時に決議され、私が取りまとめた、受動喫煙対策強化のための健康増進法改正案の「議連試案」を発表しました。この議連試案のポイントは次の通りです。
後退した厚労案に対抗
1月30日に厚生労働省より発表された「基本的考え方」は、肝心の飲食店で、喫煙を認める施設の方が多くなり、原則禁煙とする理念が守られない、骨抜きの案となっています。一方、私たちの議連試案では、まず原則屋内禁煙に戻すべき、そして例外措置については、昨年の厚労省案と言われていたものを参考とし、飲食店については30㎡以下のバー・スナックのみ例外として喫煙可としました。
また、受動喫煙を防止するには関係ないと思われる、飲食店の「資本金」の要件は外しました。
加熱式は不可
加熱式タバコについても、今回の厚労省案では座席での分煙がOKとなっていますが、議連試案では、加熱式タバコと紙巻きタバコは同じ規制条件とします。つまり、加熱式タバコも喫煙室内でしか吸えません。
野党から国会に提出
小中高校および病院での規制については、昨年の厚労省案では「敷地内禁煙」でしたが、今年の厚労省案では「建物内禁煙」で、敷地内に喫煙スペースを作ることが可能となってしまっています。そうした、今年の厚労省案で大きく後退した部分を、当初の厳しかった厚労省案並みに戻す内容となっています。
この議連試案を参考に、野党から議員立法として国会に提出し、政府与党案と比較して議論されることを目指します。
「拘束」外しを呼びかけ
そしてもうひとつのポイントは、この法案の採決にあたっては、党議拘束=党で賛否を決定、党議員個人の反対意見・表明を認めない規則=を外して臨むよう各党に呼びかけます。党議拘束が外れれば、党利党略=党の利益のためだけの策略=でなく、国会議員ひとりひとりが自分の価値観で投票し、より賛同者が多いほうを法律として成立させることが可能です。
過去には臓器移植法の採決の際にも、党議拘束をせず、国会議員ひとりひとりの判断で採決が行われました。国民の生命、健康に直結するこの法案に関しても、同様に党議拘束をはずして採決を行うべきです。
そこで臨時総会では、この議員連盟所属の各議員が、それぞれの党でこの法案の採決に当っては党議拘束をはずそうという働きかけを行っていくことも確認しました。
6月までに国会で議論、多くの国民の賛同を!
3月末の来年度予算成立後、6月の会期末までの間に、いよいよ法案が国会で議論されることになります。タバコ族議員をはじめとする反対派議員の抵抗は凄まじく、推進派の議員はまだ数の上では少数派ですが、国民の健康のために実効性のある国際基準に則(のっと)った法案の成立を、我々は目指さなければなりません。我々の議連案を成立させ、実効性のある受動喫煙対策を実現するためには、多くの国民の皆様の賛同を得なければなりません。私たち推進派の国会議員も精一杯闘って参りますので、応援の輪を広げていくためのご支援をよろしくお願い申し上げます。
(2018年2月22日・記)