受動喫煙撲滅を実現する都知事を選ぼう
<『STOP受動喫煙新聞』第15号(2016年7月)=発行「公益社団法人 受動喫煙撲滅機構」掲載>
公益社団法人受動喫煙撲滅機構理事
参議院議員
「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」幹事長 兼 事務局長
松沢成文
5月30日に非常に衝撃的な数字が発表されました。厚生労働書の研究班によると、受動喫煙により国内で年間15,000人もの人々が亡くなっていると推計されるとのことです。2010年の推計ではおよそ6,800人だったものが、その後、脳卒中との因果関係が明らかになったことにより、その人数が急激に増加したそうです。昨年の交通事故による死者数は4,117人です。その3倍以上の人が受動喫煙の影響により亡くなっているのです。
交通事故の死亡者数も、ピーク時の1970年には年間16,765人もの方々が亡くなっていました。しかし、その後の自動車に関する安全技術の進歩や様々な交通施策の実行により、発生件数よりもはるかに大きな割合で死亡者数は減少しています。であるならば、国や自治体が受動喫煙対策に本気で取り組めば、受動喫煙による被害者も大きく減少させることが可能でしょう。国や自治体には、さらなる受動喫煙防止に向けた取り組みの強化を望みます。
折しも東京都では、また都知事選挙が行われようとしています。2人続けて政治とカネによる辞職です。みなさんご存知の通り、オリンピック開催地都市では、開催までに受動喫煙防止のための法律や条例などを制定するのが、いまや世界の常識となっています。しかし、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、受動喫煙防止の条例の制定などが急務となっているなか、オリンピック・パラリンピック開催決定以降に在職した都知事は、受動喫煙防止条例の制定に前向きな人たちではありませんでした。東京オリンピック・パラリンピック開催を視野に次の都知事を選ぶのであれば、受動喫煙防止に対してどのような姿勢で臨むのか、有権者はそういった視点で候補者を見てみてもいいのではないでしょうか。タバコフリーのオリンピック・パラリンピック開催に向けて、新しい都知事には強いリーダーシップを発揮していただき、早急な環境整備を望みます。(2016年6月17日記)