タバコに毒されたメディアの恐ろしさ
先日のレポートでも取り上げたように東京都の舛添知事が受動喫煙防止条例制定の検討を表明しました。
それを受けてタバコ規制に反対するメディアが早速反応をしています。
そのうち、8月19日付けの日刊ゲンダイの記事
(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/152707)
を取り上げてみましょう。
引用します。
『これに悲鳴を上げているのが、飲食店の人たち。4年前に禁煙条例(受動喫煙防止条例)を導入した神奈川のケースを見ると、4割の飲食店が売り上げダウン。月額で3割減の店もあった。
禁煙条例とは関係ないが、ファミレスのロイヤルホストは昨年11月、全席禁煙を発表。昨年は月ベースの既存店売り上げが前年比で毎月プラスだったが、今年は急ブレーキ。1月、2月、6月とマイナスで、7月の売り上げダウンは5%に上り、客足も10%近く減っている。スモーカーが逃げた格好だ。神奈川やロイホのデータから推測すると、東京でも、売り上げが1割くらい落ちるかもしれない。』
このうち、『4割の飲食店が売り上げダウン。月額で3割減の店もあった』というのは、ゲンダイに限らず様々なメディアで喧伝されていますが、エビデンスを示して欲しいと言っても一向に出てこない代物です。
この部分も大問題なのですが、本稿で問題にしたいのは後段です。この記事だけを見れば、ロイヤルホストの売り上げはダウンしたとしか読めませんよね。しかし、ロイヤルホストのHP(http://www.royal-holdings.co.jp/ir/sales/royalhost/)を見ると・・・
(出典:ロイヤルホストHPより)
確かに記事の言うとおり、1,2,6月は売り上げ、来客数ともに減少しています。しかし、3,4,5月はプラス。上半期トータルでは、来客数こそマイナス2.5%ですが何と売上高は増えているのです。記事は、『神奈川やロイホのデータから推測すると、売り上げが1割くらい落ちるかもしれない』と締めくくっていますが、このロイヤルホストのデータから売り上げが落ちると推測することは到底できません。そもそも売上減少の原因を禁煙だけに押しつける根拠は何なのでしょうか?
タバコ規制に反対するためには客観的なデータも都合のいいようにつまみ食いする。この記事を書いた人はどこかの企業か団体に雇われているのでしょうか。記者としての良心を失ってしまったのでしょうか。皆さんはどう思われますか?