新国立競技場建設に関するコメント
独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は、今月七日に、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設費が2520億円にものぼることを明らかにした。
2520億円という金額は、過去のオリンピックのメイン会場の建設費と比べると、およそ3倍から7倍という、常識を超える高額である。しかも開閉式の屋根や芝生の育成補助装置などをオリ・パラ後に先送りしたため、追加の建設費が発生するだけに止まらず、追加工事期間中の使用が制限されることにより、その間に得られるはずの利益を逸失してしまう。また、特殊な形状のため、完成後に毎年膨大な維持費が発生することが予想される。
そもそも今回の問題は、「キールアーチ」と呼ばれる特殊で難易度の高い形状を採用したことに端を発しているが、オリ・パラだけでなく、2019年秋に開催される予定のラグビーワールドカップも新国立競技場で開催しようとすることにより様々な無理が生じている。このまま建設を強行すれば、最悪の場合、一部が未完成のままオリ・パラを迎える事態も想定される。
当初は他の会場での開催を検討していたラグビーワールドカップは新国立競技場を使わなくても十分対応可能であるという事実を踏まえ、ラグビーワールドカップは横浜や埼玉など他の会場で開催すべきである。そのことにより期間や費用に余裕が生じ、設計からやり直して新しいものを造り直すにせよ、あるいは現行の方式で建設するにせよ、オリ・パラまでにフルスペックの新国立競技場を完成させることが可能になる。
ラグビーワールドカップと東京オリンピック・パラリンピックの両方を成功させるため、次世代の党は政府に対し、海外を含む各方面に丁寧な説明を行い、ラグビーワールドカップは他の会場で開催し、オリ・パラまでにフルスペックの新国立競技場を完成させるという政治決断を、一刻も早く下す様要請する。
平成27年7月15日
次世代の党 幹事長 松沢成文