5月11日次世代の党幹事長松沢成文定例記者会見
平成27年5月11日に次世代の党幹事長松沢成文が定例記者会見を行いました。
要旨は以下のとおりです。
==================================
【両院議員総会の報告】
●今月中に国政支部長会議を開催し、党の組織づくりに
ついて協議をする予定です。
●それを受けて、6月3日(水)16時より、全国拡大
支部長会議を行い、国政・地方含めた支部長の皆さんと
統一地方選挙の総括や今後の党勢拡大のための地方組織
づくりについて協議する予定です。
●政治塾には36名の応募がありました。地方選挙の経験者
10名も含まれています。第1回は6月13日(土)で、
平沼党首が我が党の党是である憲法について講義を行う
予定です。
【ウズベキスタン視察の報告】
●5日(火)から9日(土)にかけて、中山参議院会長を
団長として、和田政調会長と私の3名でウズベキスタン
に視察に行ってまいりました。
●まず、アジモフ第1副首相兼財務相との会談を2時間
行いました。1つの大きなテーマはADBとAIIBの
あり方についてです。私どもは、中国主導のAIIBは
組織の運用や融資の条件づくり、環境に配慮した
投資・開発など、見定めなくてはいけないものがあると
申し上げたところ、アジモフ氏からは、是非とも政治と
経済は分けて欲しい、途上国の立場としては、ADBと
AIIBの協調融資も含めて、両方の開発銀行から融資
を受けて開発を進めたいので理解頂きたいとの意見でした。
更には、日本がAIIBに参加することで、
コンプライアンスを含めてリードしてもらいたいとの期待
を表明されました。
また、イスラム国のテロリズムの波及についても意見交換
を行いましたが、ウズベキスタンはかなり前からイスラム
過激派について注意して対策を取っており、具体的には、
貧富の格差を無くす事と徹底した教育制度、イスラム教育
制度だけでなく公立学校をつくり、貧困や教育が無い事
から過激派に行ってしまうことを防いでいます。
●日本のウズベキスタンが共同で運営している日本センター
も視察しました。ここは、ビジネススクールや日本語教育
などを展開しており、ウズベキスタンの人々からも大きな
評価を受けておりました。こうした草の根事業は大変重要
だと再認識しました。
●日本兵がシベリアに抑留されて、タシケント周辺にも
約2万 人連れて行かれ、うち1000人が亡くなりました。
そのお墓を再整備して、1つのモニュメントとして記念碑
もつくったのが中山恭子元大使です。
その墓参もしてまいりました。ウズベキスタンの古老の方
が抑留者と一緒に過ごして、資料を集めて資料館をつくっ
ており、資料館をしっかりとした博物館にする資金が必要
なので 協力頂きたいというお話もいただきました。
日本メディアを使って宣伝し、歴史を後世に引き継いでい
くという事で、次世代の党でも協力ができるよう情報交換
をしていくことになりました。
●商社などのウズベキスタン駐在企業とも懇親をしてきました。
ウズベキスタンは、シベリア抑留兵が社会資本をずいぶん
整備しているので、日本に対して感謝をしている親日国です。
その影響で日本がODAや開発資金を提供して、
ウズベキスタンの経済発展に貢献してきました。残念ながら、
最近では韓国や中国の勢いに押され日本の存在感が薄れており、
現地の人も、駐在している日本企業も心配していました。
日本企業にも進出してもらえないかと懇願されました。
●現地では、8月に安倍総理がウズベキスタンを訪問する
ことを決定とみなして準備しています。アジモフ氏から、
安倍総理に8月にウズベキスタンに来て欲しいと再度
伝えて欲しいという要請がありました。
今週中にも官邸を訪れて、この要請をお伝えしたいと
思います。
●シルクロードの古都など、世界遺産も数多くある国なので、
日本との観光交流を進めていきたいと意見交換をしました。
【幹事長からの報告】
●今後の国会日程では難しい法案が審議されます。
特に安保法制です。政府は法案の最終調整を行って
いるようですが、我々としては日本の安全保障の体制、
抑止力を強化するために、自衛権は絶対に必要だと
思っています。集団的自衛権を含め、きちんとした体制
を整備する事は不可欠ですので、政府の法案の方向性は
支持しています。しかし、足りない部分もあるので、
そこはしっかり指摘していきたいと思います。
●例えばグレーゾーンの最たるものである領域警備に
ついてです。新聞報道でも、閣議決定の迅速化のため、
電話による閣議決定やNSCの電話会議を行い、
グレーゾーン事態がまずい方向にいったときには、
すぐに自衛隊の治安出動や警察警備行動がとれるよう
にすると言っていますが、この点はまだまだ不十分だと
思います。行って出来ることは、あくまで警察権限です。
もしそこで中国軍が出てきてしまったら、まったく対応
できません。私たちは領域警備法を提案していて、
自衛隊の領域警備を通常任務にするということと、
そのときの武器使用は国際基準にあった行使を認めて
いくという法案です。議員の人数が足りないので今は
議員立法で提出できませんが、国会審議の中で法案の
必要性を追求していこうと思います。
是は是、否は否で法案審議に臨んでいくという方向で
やっていきたいと思います。いい安保体制ができれば
抑止力につながり、平和と安全が維持できると考えて
います。
【記者からの質問】
●集団的自衛権の限定容認についての党の立場は、私たち
は限定ではなく、集団的自衛権を全面容認していくのが
理想だと思っています。ただ、憲法の条文から見ると、
そこまで憲法解釈でいくのは難しいと思うので、
一歩前進で仕方ないかと思っています。
新3要件の1つ目に、あそこまで抽象的で長い言葉で
要件をつけられると、ほとんど集団的自衛権の行使が
出来る場面がないのではないかと危惧しているので、
危機的な条件には対応できるよう、文言自体をもう少し
シンプルにしていくべきだと思っています。
賛否については、議論した上で一歩前進であれば賛成
していきます。
●国会審議の中で、次世代の党の考えに基づいて修正を
求めていくのかという質問については、今後野党の中
でもより安全保障の体制を充実させる方向で修正案が
出てくる可能性があるので、その議論にも参加して
いきたいと思います。
そもそも我々は安保基本法をつくるべきだという立ち
位置です。基本法がないので、それぞれの法案のパッチ
ワークでは国民がほとんど理解できないでしょう。
基本法策定の提案は自民党内でもありましたし、野党
でも民主党、維新の党は基本法をつくるべきだと
聞いています。ただ、次世代の党の基本法は、自衛隊の
武器使用の権限もネガティブリスト化し、武器使用は
他国と同様にできるようにしないと、武器使用にタガを
はめられた自衛隊が戦場の近くに行くと、自衛隊員の身を
守れない可能性があります。
これが他の野党が出している基本法と整合性がとれるかは
わかりません。
安保基本法や領海警備法をつくっていくという党の方針は
もっていますが、今の我が党の勢力では、国会全体の議論
になっていく保障は残念ながらありません。
議論をしていく中で、政府の案が一歩前進、二歩前進で
あれば賛成していく姿勢で臨んでいきたいと思います。
詳細は動画をご覧ください。