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No4「二宮尊徳の信奉者たち」~マーガレット・サッチャー~

「鉄の女」として1980年代の英国を停滞から救ったマーガレット・サッチャーと、日本の二宮尊徳(金次郎)。時代も国籍も異なるこの二人は、実は深い精神的絆で結ばれていました。

サッチャーが来日した際、日本の勤勉精神の象徴として尊徳の名を挙げ、深い敬意を表したエピソードは有名です。なぜ英国の首相が、極東の農村指導者にこれほど共鳴したのか。それは、二人が驚くほど似通った「原点」と「信念」を持っていたからです。

サッチャーは自らを「雑貨屋の娘」と誇り、尊徳は「貧農の息子」として育ちました。二人の哲学は、エリート層の机上の空論ではなく、日々の暮らしから滲み出る「生活者のリアリズム」に基づいていました。「額に汗して働き、稼いだ範囲で質素に暮らす」。

サッチャーが英国経済を立て直すために断行した改革は、尊徳が荒廃した村を救うために説いた「分度(身の丈に合った生活)」や「勤労」「推譲」(余剰を社会に譲る)の教えと、本質において完全に一致していたのです。

また、二人は「甘え(依存心)」を許しませんでした。サッチャーの物議を醸した言葉「社会というものは存在しない」は、国やシステムへの依存を否定し、個人の自立を促す強烈なメッセージでした。

尊徳もまた、安易な援助金(お救い金)を嫌いました。心が改まっていない者に金を渡しても意味がないと考え、まずは自ら鍬を持つ「自力更生」を求めたのです。サッチャーの「自助(Self-help)」と尊徳の「報徳」。表現は違えど、「個人の自立なくして繁栄はない」という真理は共通しています。

そして、尊徳の「推譲」の精神と実践を、サッチャーはキリスト教の隣人愛と同じ理念だと感想を伝えているのです。

二人の思想は、現代の私たちに「自由の厳しさ」を問いかけます。自由には責任が伴います。何かがうまくいかない時、つい「誰かのせい」「システムのせい」にしがちな私たちに、雑貨屋の娘と薪を背負う少年は「で、あなた自身は何をしたのですか?」と厳しく問いかけてくるのです。と同時に、他者や社会への恩返しの大切さをも説いたのです。

サッチャーが尊徳に見出したのは、東洋のエキゾチシズムではなく、彼女自身の魂の分身でした。「積小為大(小を積んで大と為す)」。魔法の杖を待つのではなく、今日、自分の目の前にある薪を背負うこと。それこそが、鉄の女と金次郎が私たちに残した、時代を超えた普遍的なアドバイスなのです。

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