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No.20【二宮尊徳のリーダーシップ論】「指導者は分を譲れ」に学ぶ、改革を成功に導く唯一の道

組織改革の成否は、最終的にリーダーの姿勢にかかっているという普遍的な真理を、二宮尊徳の思想は鋭く突きつけています。彼が説いた「指導者は分を譲れ」という教えは、現代のサーバント・リーダーシップ論の原型とも言える、時代を超えた実践的なリーダーシップの要諦です。

尊徳は、多くの善意の改革がなぜ失敗に終わるのか、その根本原因はリーダー自身の「言行不一致」にあると指摘し、以下のようにと述べました。

「名主は豊富な財産を持っており、村民を正しく導くべき者である。それが、たとい施しを好み貧を救おうとしても、自分自身が富を誇り、贅沢を見せびらかしたならば、施しを受ける者は、うらやんでそのまねをして、おのおの分を失うことに気がつかない」(『二宮先生語録』斎藤高行著より)

これは、高額な報酬を得る経営者が現場にコスト削減を要求するような、現代の組織でも見られる光景です。このようなリーダーの「驕り」と「贅沢」は、メンバーの士気を著しく低下させ、改革への協力を得るどころか、むしろ反感と不信感を生み出す最大の要因となります。

では、どうすれば人々を動かし、改革を成功させることができるのか。尊徳はその処方箋として、リーダー自らが範を示すことの重要性を説きます。

「もしも名主が謙譲を重んじ、自ら驕りを禁じて倹約を守り、分内を縮めて余財を推し譲り、そうして貧民を救うならば、貧民は感動して、うらみの念は消え、勤労をいとわず、分を守ることを楽しみとするようになる」(『二宮先生語録』斎藤高行著より)

リーダーがまず自らの生活を切り詰め、その余剰(分)を部下や組織の未来のために「推し譲る」。その自己犠牲的な姿勢が初めてメンバーの心を動かし、「自分たちもリーダーと共に頑張ろう」という自発的な意欲を引き出すのです。

尊徳の教えは、真のリーダーシップとは、単に優れた戦略を描くことではなく、自らが率先して痛みを受け入れ、その自己犠牲的な姿勢を通じて組織全体の信頼と協力を勝ち取ることにあるという、リーダーのあり方そのものを、私たちに厳しく問いかけているのです。

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