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No.17【二宮尊徳の実践哲学】「知識があっても行動しなければ事はならぬ」に学ぶ、結果を出す人の絶対法則

二宮尊徳の思想の核心、それは「至誠と実行」です。彼は、どんなに優れた知識や弁舌も、具体的な「実行」が伴わなければ無価値であると断言します。これは、現代の「言うだけ評論家」や「ノウハウコレクター」への、時代を超えた痛烈な警鐘です。

尊徳は、自らの道の神髄を「わが道はもっぱら至誠と実行にある」と述べ、小手先のテクニック(才知・弁舌)では真に人心を動かし、成果(草木を茂らす)を出すことはできないと説きました。

「たとい孔明を欺く知謀があり、蘇秦・張儀を欺く弁舌があっても、弁舌をふるって草木を茂らすことはできまい」(『二宮翁夜話』福住正兄著より)

これは、現代ビジネスにおける「パーパス(存在意義)」と「エンゲージメント(熱意ある実行)」の重要性を示しています。自社のミッションに対する純粋な思い(至誠)と、それを実現するためのひたむきな行動(実行)こそが、顧客や従業員、ひいては市場全体を動かす唯一の力なのです。

さらに尊徳は、当時の教育のあり方を厳しく批判し、行動を伴わない教育の空虚さを指摘しました。

「今はそうではない。口で教えればそれを憶え、憶えればすぐまた口で人に教える。たとえば、ただ、水を汲むがよいと言うだけだ。水桶が一杯になるわけはない」(『二宮先生語録』斎藤高行著より)

これは、現代のOJTや研修における「ティーチング」と「コーチング」の違いを見事に描き出しています。ただ知識を教えるだけでは部下は行動を変えられず、リーダー自らが手本を示し、共に行動することで初めて組織は成果を上げるのです。

尊徳はまた、読書と実践の関係を織物にたとえて説きます。

「読書は縦糸であって実践は横糸である。縦糸があって横糸がなければ織ることができない」(『二宮先生語録』斎藤高行著より)

インプット(読書)という縦糸だけでは価値は生まれず、そこにアウトプット(実践)という横糸を織り込むことで初めて成果(織物)が生まれるのです。

元東レ経営研究所社長の故佐々木常夫氏が「『いい話を聞いた』『いい本を読んだ』だけで、自分の行動に落とし込まない知識は、何の役にも立たない」と述べたように、行動を伴わない知識は死んだ知識です。尊徳の生涯は、自ら学び、自ら考え、そして何よりも自ら行動することこそが、個人と組織を成功に導く唯一の道であることを、私たちに力強く示しています。

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