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No.6 【二宮尊徳の成功哲学】「勤倹譲」に学ぶ、人生という大海を渡る術

 二宮尊徳の思想の根幹には「勤」「倹」「譲」という三つの行動原則があります。これは単なる道徳論ではなく、予測不可能な人生を乗り切り、個人と社会が共に豊かになるための、実践的な成功哲学です。

 尊徳は以下のように、人生を大海にたとえ、その要諦は「勤倹譲」の三つに尽きると説いています。

「世の中は大海のようなものだから、波があるのはしかたがない。ただ、泳ぐ術が上手か下手かの相違だ。(中略)水死を免れるには、泳ぎの術一つであるように、世の海を穏やかに渡る術は、勤と倹と譲の三つに尽きる」(『二宮翁夜話』福住正兄著より)

 これは、どんなビジネスパーソンにも不可欠な3つのスキルを示唆しています。

勤:勤勉に働き、新たな価値や成果を生み出すこと。

倹:生み出した価値を無駄なく管理し、効率化を図ること。

譲:生み出した余剰を、未来の成長や社会のために再投資すること。

 さらに尊徳は、この三つの関係性を「かなえの三本足」にたとえ、その重要性を強調します。

「わが道は、勤倹譲の三つにある。勤とは、衣食住になるべき物品を勤めて産出することをいう。倹とは、産出した物品をむやみに費さないことをいう。譲とは、衣食住の三つを他に及ぼすことをいう。(中略)この勤倹譲の三つは、かなえの三本足のようなもので、一つでも欠けてはならない」(『二宮翁夜話』福住正兄著より)

 「勤」と「倹」だけでは、単なる自己満足の貯蓄に終わります。しかし、そこに「譲」が加わることで、初めてその富は社会に還元され、未来の成長へと繋がるのです。企業が利益を上げ(勤)、コストを削減し(倹)、その利益を研究開発や人材育成、社会貢献に再投資する(譲)ことで、持続的な成長サイクルが生まれるのと同じです。この三つは、どれか一つが欠けても成り立たない、三位一体の哲学なのです。

 この「勤倹譲」の思想は、尊徳自身の壮絶な少年時代の経験から培われました。伯父の家で働きながらも、肉体労働と学問の両面で極限まで「勤勉」を貫き、知恵で「倹約」を実践し、未来のために「譲る」ことの重要性を学んでいきました。

 尊徳は生涯を通じて、「勤労によって収穫を増やし、勤倹によって余剰を生み出し、その余剰によって他者を救済する」という道を貫きました。これは、現代の私たちにとっても、キャリアを築き、社会に貢献するための普遍的な羅針盤と言えるでしょう。

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