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「神奈川維新」への挑戦

4.教育改革特区構想

では以下に、新しい神奈川県をつくるための構想をいくつか示したい。

まず第一は、「環境新税」の導入と水源地域の環境保全である。いま全国で新税ブームが起きている。これは、いままで総務大臣による許可制だった法定外税が協議制に緩和されるとともに、目的税も可能になったことによって起こった動きで、そこからさまざまな新税を各自治体が導入しはじめているのである。

要は国の財源をあてにせず、自分たちで財源を確保しようというわけだが、課税対象を一部事業者に求めたり、取りやすいところから取るという、税の公平性、中立性を無視した安易な新税が多い。

そのなかで異彩を放つのが、東京都杉並区の山田宏市長が導入しようとしているレジ袋税である。買い物をするときにレジ袋を受け取った客から一枚につき五円を徴収するというもので、これによって住民のゴミに対する意識を高め、ゴミの減量化に役立てようというのである。

この手の税金は、導入するのに大変な決意がいる。いわば住民全員に負担を求めるのだから、へたをすれば住民の不興を買って、次の選挙では落選しかねない。しかも杉並区の場合、新税を導入すると買い物客が減るという危機感によって、商店街から猛反対が起こった。それでも山田区長は議会と区民を説得し、導入に踏み切ろうとしているのである。

では神奈川県でどんな新税が可能かというと、「水源環境税」である。神奈川県は首都圏で唯一、水源地と水の消費地が一致している地域で、相模湖、津久井湖、宮ケ瀬湖、丹沢湖など県内各地を水源地域としている。それだけ豊かな自然環境も残されているのである。

これらの水を安全でおいしく飲めるものにするためには、丹沢の森など、水源地域の環境保全が欠かせない。しかしながら神奈川の水源地域は、森林の枯死や水質の悪化が進んでいる。そこで水の消費者から税を徴収し、水源を守る費用を確保しようという考えだ。

水源を守るために新税を導入すれば、県民にも自分たちの水を自分たちで守り、さらに美しい郷土を愛して保全していこうという意識が育まれよう。このような都市と水源地域をつなぐ政策は、まさに広域自治体である県の役割であるはずだ。この新税は現職の岡崎洋知事が提案しているもので、すでに論議が交わされているが、こういう理念をもつ税なら検討の価値がある。私としてもぜひ継承していきたいと考えている。

第二は、神奈川県を教育改革特区にすることである。その一つ目は社会奉仕活動の充実である。いまの子どもたちを見たとき、もっとも欠けているのは社会性と公共心である。少子化で兄弟があまりいないうえに、塾通いで遊ぶ時間が非常に少ない。その遊びもテレビゲームといったありさまで、これでは子どもの社会性や公共心は育まれないのも無理はない。

私たちは地域社会のお世話になって生きているのだから、その地域社会に奉仕するのは住民としての義務である。このことを、実践のなかから学びとってもらう。たとえば「森林保全」「福祉活動」「公共スペース清掃」の三分野のなかから生徒たちに選択してもらい、社会奉仕活動を実践してもらう。そうして公共心とボランティア精神に満ちた「やさしくて強い子どもたち」を神奈川から育てていきたい。これはやがて、地域社会を愛し、発展のために貢献する、共同体意識の高い本当の意味での市民を育むことにも結びつくはずだ。

二つ目は英語教育の抜本改革である。グローバル時代に入り、今後、英語の重要性はますます大きくなる。そうした時代に向けて“使える英語”を身につける教育を徹底的に行なう。

従来のような英単語や英文法ではなく、コミュニケーション・ツールとしての英語に重点を置く。そのための教師の育成をはじめ、授業内容の抜本的な改革を行なう。これによって神奈川で中学高校の六年間学べば、必ず“使える英語”が身につきバイリンガルになるという目標がもてる。神奈川で学んだ若者は世界中で活躍できる可能性が開けてくる。これはまさに、国際文化都市・横浜を抱える神奈川県にふさわしい構想となるはずである。

三つ目はコミュニティ・カレッジの設立である。少子化によって神奈川県でも高校の統廃合が始まっている。この校舎を利用して、不登校や中途退学の生徒が手に職をつけたり、社会人がキャリアアップを図るための学校をつくる。さらには高齢者の生涯学習や職業訓練の場所としても利用する。つまり個人の能力開発や教育と雇用の連携を図るのである。もちろんその授業料はできるだけ安価なものとし、地域住民に学びの場を提供する。公設民営の地域の生涯学習センターをつくるという構想である。

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目次
  1. 変わらない日本、変わる日本
  2. しがらみのない改革派首長の出現
  3. 日本は地方からしか変えられない
  4. 教育改革特区構想
  5. 首都圏連合の設立を

 


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