2.しがらみのない改革派首長の出現
なぜ国の政治は変わらないのに、地方の政治はダイナミックに動きはじめたのか。その理由は大きく二つ考えられる。一つは政治システムの問題である。国政は議院内閣制で、総理大臣を選ぶのは国会議員である。そのため総理大臣は、国民だけでなく、自分を選んでくれた国会議員の目を意識しなければならない。
歴代の総理大臣を見ても、いずれも与党内における派閥間の利害調整などに苦慮し、そのうえで国政を運営せざるをえなかった。さらに派閥間のバランスをとるため、一年前後ですぐ新しい大臣に交代させなければならない。それに加えて、官僚機構や各種業界・団体の利害も絡む。こんな不安定な身分では、強いリーダーシップに基づいて改革をすることができないのも当然である。
一方地方の首長は、アメリカなどの大統領と同じように有権者による直接選挙で選ばれる。選挙で有権者の信任を得れば、人事や予算、許認可など、すべての権限を一人に集中させることができる。明確な政策と強い意思をもっていれば、抵抗勢力の思惑など気にせずに改革を断行できるのである。まず、ここに大きな違いがある。
もう一つは「しがらみ」の問題である。大統領と同じとはいえ、これまで地方の首長が目立った動きを見せることはなかった。これは選挙に際して、主要政党やさまざまな利益団体の相乗りの談合体制だったからだ。
とくに官僚出身者の選挙では彼らに土俵をつくってもらい、本人はそこに乗るだけというケースが多かった。これでは本人に「この地球をよくしたい」という意思がどこまであるか疑問だし、政策を進めようとすれば、ことあるごとに主要政党や利益団体に相談せざるをえない。主要政党や利益団体の反対を押し切ってまで、自分の意思を押し通すことはできないのである。
ところが石原知事や田中知事、中田市長らは、みな自分の意思とビジョンを掲げて選挙に出てきた人たちである。そのうえ政党や利益団体の推薦をいっさい受けていない。県民や市民一人ひとりに訴え支持を集め、当選している。だからこそ、思い切った独自の政策を打ち出し、実現できるのである。
そう考えたとき、日本を構造改革するには、やはり「しがらみ」のない改革派首長が次々に誕生し、スクラムを組んで地方から日本を変えるしか方法はない。霞ヶ関から権限と財源を戦い取るための地方からの反乱に決起するしかない。
自分たちの地域のことは自分たちで決定し、財源も自分たちでもつという、本当の意味での地域主権を確立する。そうして初めて自分たちの地域も変えられるし、ひいては日本を変えることもできるのである。
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目次
- 変わらない日本、変わる日本
- しがらみのない改革派首長の出現
- 日本は地方からしか変えられない
- 教育改革特区構想
- 首都圏連合の設立を
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